air lids

空調機器メーカーダイキンのためにデザインした、「フタ」に特徴のあるキッチンウェア。

エアコンで空気を操る冷媒と同じ原料から生まれるフッ素ゴム「フルオロエラストマー」は、
高い耐熱性・耐油性・耐酸性のほかに、発色が良いにもかかわらず黄変・退色しにくいなどの優れた特性があり、
自動車部品などの工業用途に活用されている。

人や環境にとって快適な空気が作られる原料から生まれるこの素材は、シリコンゴムとも異なる
さらりとした触感があり、あたかも「本来は触ることのできない空気が物質化して、
手に取れるようになった」ような不思議な感覚をもたらす。
この感触と素材特性をいかすため、手に触れる機会が多く、
「フタ」というパーツに着目したキッチンウェアをデザイン。

01 容器の中の調味料を「フタごと」つまみ取れるフタ
02 押しつぶすことで口が開き、中の液体を注ぐことができるフタ
03 つまむと、中から小さなスプーンが押し出されるフタ
04 内側からの張力によってボトルの口を閉じるフタ
05 中の液体を体積で「押し出す」フタ

モノと人の間に常に存在しながら感じ取ることのできない空気を、容器の中にあるモノと人との間に介在する
「フタ」という形に変換することで、知覚できる存在とすることを目指した。

Client:
ダイキン
Collaborator:
Shigeya Miyata
Arata Nishikawa
Shimpei Mitani (movie)
Photographer:
Akihiro Yoshida
Filming:
Akihiro Yoshida
2018.04