en

sketch / image
DOWNLOAD
  • 2018.04
for JT

タバコ市場が加熱式電子タバコへと急速に移行する中、電子タバコに関心が薄かったり抵抗感を持つ層にアプローチをするための「第3のタバコ」となりうる、新たな可能性を模索する先行開発プロジェクト。

電子タバコへの移行によって失われつつあるタバコの魅力と、電子タバコによって得られたメリットを併せ持った、電子タバコ用カプセルを火で炙って楽しむスタイルをデザイン。

本体は、カプセルの着脱が簡単なノック式。箱からタバコを一本取り出し、ライターで火をつけるという一連の所作による心地よさを、「ノックする」ことに置き換え、気持ちのスイッチを切り替える新たな行為となる可能性に期待した。上部のボタンをノックするだけでタバコカプセルが装着され、そのまま先端をライターで10秒程度炙ることで喫煙可能となる。
再度ノックすることでカプセルが排出され、加熱したカプセルに直接触れる必要がなく、火傷したり手が汚れたりする心配もない。

電気ではなく火で加熱することから、香ばしい風味で味わい深くなり、炎を眺めることで生まれるリラックス効果も維持することができた。そのうえ、喫煙までの加熱速度も速く、既存の電子タバコの加熱待機時間が約20~40秒のところ、約5~10秒で喫煙可能となる。
味わいは炙る時間で変化し、さらに豊富なフレーバーのカプセルの中から気分に合わせてバリエーションを楽しめる。

電子タバコ特有の、タバコ葉を燃焼させずに加熱する仕様によって体への負担は減り、煙や灰で周囲に迷惑を掛けることもない。一方では、充電が不要になるため重たいバッテリーがなくなり、シンプルな機構のためメンテナンス性が高い。

見た目はコンパクトで、軽量になり、持ち運び時の快適性はもとより、喫煙時の佇まいも従来のタバコと比べても違和感が少ない。

ライターの貸し借りや、灰皿を囲むときの距離感から生まれる交流など、喫煙所という区切られた空間だからこそ生じるコミュニケーションを誘発することは、ライターを使用することを踏襲したことで可能となった。
さらには、カプセルが露出したデザインにすることで、喫煙時に使用しているフレーバーが見えるため、ライターに加え、カプセルの貸し借りという新たなコミュニケーションも期待できる。

デスクなどに置かれているときや持ち運ぶときを配慮し、複数のカプセルと一緒に持ち運べるレザーケースや、ライター、使い終えたカプセルを捨てるための容器を兼ねたスタンドなどのアクセサリーも合わせてデザイン。

火を使うことで完結するデザインであることから「en(炎)」という名前をつけた。

 

Collaborator : nrs, umz
Photographer : Akihiro Yoshida