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自然界の樹木を「見立て」て楽しむ盆栽をさらに「見立て」てデザインしたプロダクト。
盆栽への関心が海外でも徐々に高まっていく一方で、輸出用の盆栽に設けられている厳しい検疫基準によって
供給量が足りていないという課題もある。また、定期的に日光や水を与えるなどの店頭でのメンテナンスに
人件費がかかることが販路の拡大を妨げたり、「特殊な知識や技術がないと楽しめないのではないか」という
心理的なハードルが存在するなど、 さまざまな要因が若年層や海外への普及の足かせになっている。

これらの課題に対して、まずは「ハサミで切って枝を整える」という導入部分だけでも体験できるような、
パズル感覚で楽しめる盆栽をモチーフにしたプロダクトをデザインした。盆栽の主要な樹種を参考にした
7種類の形状が用意され、いずれもハサミを使って格子状の葉をプチプチと切っていき、角張った輪郭を
柔らかい形状に整えることで完成する。これであれば初心者にもとっつきやすく、ナイロン製のために
検疫やメンテナンスはもちろん不要となり、国内外問わず店頭販売が容易になると考えた。
そんな、盆栽の未来がほんの少し広がるキッカケとなることを願ったデザインとなった。

Client:
Japan Botanical Culture
Collaborator:
Arata Nishikawa (product)
Sherry Huang (product)
Shimpei Mitani (moving image)
Photographer:
Akihiro Yoshida
2019.10