Marsotto Milan Showroom

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  • 2020.10
for Marsotto edizioni

ミラノ市内のブレラ地区に位置する、大理石専門メーカー「マルソット」のショールーム。地上階と地下階からなり、大理石製の家具や雑貨のほか、加工サンプルなどが展示されている。

一階のエントランスは「大理石製のメッシュ」のようなパーティションで階段室を覆った。直径65mmのドットで切り抜いた厚さ10mmの大理石を2層貼り合わせ、ガラスで挟み込んで作成している。大理石でありながら残された箇所の幅が約10mmしかないことで適度な透過性と軽さがあり、圧迫感を軽減。来場者を地下の展示スペースへと柔らかく誘引する。大理石にまつわる高い加工技術が体感できる地上階に対して、地下は大理石自体の魅力を感じられるような空間構成になっている。4室に分かれた地下空間内には、大小様々な大きさの「ステージ」を5個設置。様々な展示レイアウトに柔軟に対応し、かつ展示物の繊細な手仕事や質感をできるだけ引き立たせる役割を考えた結果、
3枚の白い面がそれぞれ垂直に接続されたステージにした。さらに最奥部のコーナーをなだらかに溶かしたことで、まるで撮影スタジオのホリゾントのように光を柔らかく拡散しつつ、ステージの奥行き感が薄れて展示物への意識が強まるようになった。地下の最も狭い部屋には円形のステージを設置し、手に取れる石材サンプルを壁に差し込んだ。その下にはそれぞれ異なる仕上げをしたスツールを並べて展示。いずれも形状を統一することで、仕上げの差が強調されることを意識した。細長い部屋にはマルソット社の製品であるキッチンとダイニングテーブル、そして壁面には自由に棚板を差し入れすることができるシステムシェルフ「Place」を全面にあしらい、展示スペースだけでなく、ランチミーティングやイベント時のケータリングスペースなど、多様な使い方ができるようにした。

ショールームのファサードは全面大理石としながらも、既存の建物の外装と目地を揃えることで、周辺環境との調和と埋没しない存在感とのギリギリのバランスを意識。さらにこの店舗が面するロータリーが近い将来に緑化され、小さな公園となる計画があることから、ファサードを公共の「家具」にすることで近隣の人たちにとってひと時の憩いの場となることを願い、一部に柔らかい凹みを設けてベンチのように誰でも腰掛けられる形状にした。

Collaborator : hsi, ysi, mor
Photographer : Hiroki Tagma