RAIZIN

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  • 2017.04
for 大正製薬

誕生5周年目を迎えた炭酸飲料「RAIZIN」のリブランディングプロジェクト。 商品のメインターゲットを、現状のエナジードリンク市場が狙うストリートカルチャーやエクストリームスポーツなどを好む10〜20代の若年層を中心とした幅広い層から変更。ワーク・ライフ・バランスを意識するスマートでクリエイティブな30〜40代のビジネスパーソンへと絞り込み、過剰な刺激を訴求するエナジードリンクを「卒業した人」に向けた新感覚炭酸飲料として再出発をすることに。

パッケージデザイン

まずは容量を250mlから、携帯性が高く一気に飲み切れる185mlに小型化した。これにより、まるでコーヒーやミントのように仕事の合間に手軽に気分をリセットできる感覚を生み出した。また、これまでの甘味を強調した飲みやすいフレーバーを見直し、強烈な辛口の「DRY」とすっきりとした「MILD」の2種類を採用。それぞれの「味感」と「刺激」をチャートで表した多角形をそのまま真っ白い缶にあしらった。DRYに使用する多角形のカラーリングはブランド発足当初から継承してきたオレンジ〜イエローのグラデーションとし、MILDは清涼感を感じるブルー〜マリンブルーに。
パッケージ上の文字要素は最小限にとどめ、値札やPOPなどに隠れる下部にあえて配置することで、 店頭では「色のついた多角形のみ」が浮かび上がるようにした。
多角形を前面に打ち出したこの表現は、テレビCMをはじめポスターや交通広告、雑誌広告、各種グッズなどでも積極的に活用。余計な情報を削ぎ落とした一点突破型のコミュニケーションを展開した。

コミュニケーションツール

RAIZINとターゲットユーザーとの接点を意識し、ブランドの印象度を高めるための各種コミュニケーションツールもデザインした。
そのひとつが飲食店やパーティなどで使用することを想定したオリジナルグラス。複数の多角形を組み合わせてできた形状のグラスは、「菅原ガラス」の職人の手仕事によって一点ずつ作られたもの。商品パッケージと同じ多角形が、ひとつだけ白く塗りつぶされている。飲みきった後には、底面に小さくプリントされた「RAIZIN」の文字が現れるようにした。あわせてデザインしたコースターにも多角形のモチーフを採用。コースターが使えない立食パーティ用にグラスのフチに付けるカードを別途用意した。また街頭でのサンプリング用には、ちょうど缶が一本分入る紙製バッグを製作。缶を裸で直接渡すのと比較して特別感を演出でき、また持ち運びやすさはもとより持ち運びたくなる「気分」までデザインすることを狙った。
さまざまなシーンで多角形が日常に浸透するようにという意図から、オフィス空間に自然と入り込むような多角形をモチーフにしたクリップや付箋、中の書類を取り出すと多角形の色が現れる仕掛けのクリアファイルのグッズなどの今後の展開も企画している。

広告/キャンペーン

テレビCMは、この商品が持つ「刺激」による気持ちのリセット効果と、それによって生まれる日常のリズムを整える役割を伝えるため「ループ」をテーマに制作。まず、始まりと終わりがつながって永遠に繰り返せる22秒の映像を作り、15秒毎に切り出すタイミング変えることで3種類のCMを作成した。似ているようでわずかに異なる3種類の映像、そしていずれも唐突に映像が始まって終わるというような違和感を生むことを試みた。
映像の内容は、日常的な状況下において「集団行動」のパフォーマンスが突然はじまるというもの。日常に「刺激」を与えようという商品のコンセプトを伝えながら、突然「謎」の行動が始まるという違和感を同時に表現した。精密かつ、規律ある動きを生み出す集団行動の動きは、この競技のエキスパートによる実演をモーションキャプチャーしたもの。実際の動きをあえてCGにしたのは、若干不気味にも見える表現によって、今後のCMのストーリー展開への関心を持ってもらうという狙いがある。

また、このテレビCMや雑誌広告の多角形の画像やラジオCMの音をスマートフォンに取り込むことでキャンペーンに参加できる専用アプリも合わせて開発することとなった。

その他のタッチポイントとして、ウェブサイト用のデジタル時計もデザイン。多角形の角がそれぞれ「時」「分」「秒」と「中心」を指し示し、常に多角形が変化し続けることで、「いかにも時計」あるいは「いかにも商品キャンペーン」という要素を排除したビジュアルコミュニケーションを図った。

Collaborator : hnm
Photographer : Akihiro Yoshida