森の屋根ときのこ

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  • Kyoto
  • 2013.10
for Kyoto University of Art and Design

建築家・西沢立衛とデザインオフィスnendoの協業によって生まれた、京都造形芸術大学の敷地内に建てられた小さな休憩所。
計画地は植物がうっそうと茂る急傾斜面。天気の良い日には東山三十六峰の峰々が一望でき、また、造成された隣接地には梅が植林される予定となっており、数年後の春にはまたひとつ楽しみが増えることであろう。これらの要素を包み込むように、西沢氏はひとつの屋根を掛けることにした。
傾斜に柔らかく沿う屋根の下に潜り込むと、それが天井なのか壁なのかが曖昧な存在であることに気付く。そして、その空間体験は、木々に覆われた山の中を歩いたときの記憶を思い起こさせる。これまでの西沢氏の建築空間は明るい「野原」や「庭」のようであり、そこで用いられてきた家具はまるで「野花」のように感じられるものが多かったように思う。内外部の境界を取り払う役目を果たしながら、空間に彩りを与えてくれる「野花」の家具。一方、この崖地に荒々しく覆い被さる木造の構造体がもたらす薄暗い空間には「野花」ではなく「きのこ」のほうが相応しいように思えた。このような思考の過程からデザインされた「きのこ」のようなスツールは、職人の手仕事によって作られ、ひとつひとつのサイズや形状がわずかに異なり、より自然に感じられるものとなった。それを、木柱の根もと、石垣や階段の隅っこなど、「いかにもきのこが生えそう」な場所を探しながらレイアウトしていった。さらに、手すりの一部がそのままきのこへと変質しているようなディテールも加えることによって、「そこに置かれた家具」ではなく、「どこからともなく生えてきた建築の一部」となることを目指した。

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Photographer : Daici Ano