SHISEIDO THE STORE

  • 2018.01
for 資生堂

資生堂は、1872年に国内初の洋風調剤薬局として東京・銀座に誕生し、現在は世界120か国で展開している化粧品メーカー。その資生堂の発祥の地に1975年から位置する最も重要なフラッグシップショップの、今後のグローバル展開に向けた全面リニューアルプロジェクト。  

「SHISEIDO THE STORE」は、全4フロア構成で、各階ごとに様々な機能やサービスを提供。1〜2Fは化粧品フロアで、1Fは主に海外からの旅行者に向けた商品をラインナップし、2Fにはスキンケアサロンも併設。3Fはフォトスタジオや、ヘア&メイクアップサロン、4Fはカフェの他に、イベントや個室の有料美容カウンセリングスペースを設けるなど、利用者の美をトータルでサポートするサービスを備える。  

まずは「インテリアの施工」と「メイクアップ」に共通する要素があることに着目し、そこをデザインの起点とすることに。インテリアは、下地にはじまり、塗装や研磨を繰り返し、最後は保護材で仕上げる。同様に、メイクもまた下地やファンデーションなどのベースメイクからリップ、アイシャドウなどのポイントメイクへと順を追って仕上げていくことから、資生堂の商品、あるいはゆかりのある素材を使い「インテリアを化粧する」ことに。  

「メイク用コットン」をほぐして紙をつくり、その下から光を焚くことで柔らかく発光する壁を表現したり、ヘアケアを中心に資生堂のさまざまな商品に使われている「椿油」を天然木に塗布することで、時とともに美しい経年変化を味わえるようにした。また、「化粧用ブラシ」を使って「アイシャドウ」を重ねていくことで、まるで大理石のような仕上げを壁面に施したり、天井のアートワークには「マニキュア」を塗料に混ぜることで、光の加減によってわずかにきらめく効果を生み出した。
こういった、さりげない「隠し味」としての仕上げ方は、日本的な美意識に基づいた考え方であり、同ブランドの世界観を表現するのにふさわしいと考えた。

空間のモチーフには、1915年から使用されている資生堂のシンボルマーク「花椿」のシルエットを採用。シルエットをそのまま引き伸ばし、竹を割ったような筒状にしたり、切り絵のように切り抜いたり、籠のように編み上げパターンにしたり、張り子のように立体にしたりするなど、日本の伝統工芸に みられるようなプロセスを活用し、空間内の各所で展開した。  

最後に、建築物の顔でもあるファサードには、ストリングカーテンを使用。日本の伝統的な結び方である「あわじ結び」と呼ばれる結び目を部分的につけることで、遠目から見ると「花椿ロゴ」の輪郭が浮かび上がるように。結び目は、伝統と創造を結ぶ象徴であると同時に、お客様との末永い御縁という願いも込めた。