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  • 2020.12
for OPPO

近年、モニターに有機ELパネルを使用した「折り畳める」スマートフォンが数多く登場する中、その多くは畳まれた状態では通常のスマホの大きさで、開くとその2倍、もしくは3倍の大きさの画面になるのが主流となっている。この「折り畳める」技術を大画面化に利用するのではなく、畳むことで携帯性を高め、そのコンパクトさを生かした新しい操作感のスマートフォンをデザイン。

畳まれた状態では、クレジットカードと同様の54mm×86mmというサイズになるほか、同じ方向に畳める山折りのヒンジが「3つ」あるのが特徴。これにより、まるでシャクトリムシのように複数の関節を使って、横に「滑る」ような動作を伴った変形を実現する。このスライド機構は、片手で持ったまま親指で行うものであるが、1段階スライドさせると高さ40mmほどの画面が露出し、時刻や受信履歴、各種通知が確認でき、ミュージックプレイヤーの操作にも向く。次に、2段階目にスライドさせると、高さ80mmほどの画面が使えるようになり、それと同時にカメラが本体上部に移動していることに気づく。これは、自撮りやビデオ通話など、フロントカメラと画面を連動させる機能に適した状態となる。最大まで画面を開くと、独特な細長いプロポーションで7インチ画面を表示。サイドに操作パネルを表示させたまま動画を楽しめるほか、両サイドにコントローラーを配したゲームモードや、複数のアプリ画面を同時に横一列に表示した「マルチタスク」モード、フルスクリーンのパノラマ撮影モードなどが可能になる。

本体のサイドキーは楕円を半分に割ったような形状で、スライドの段階によって半円形の小さなボタンになったり、2つが合体して大きな1つのボタンになったりし、2〜4個のボタンとして機能。また、普段は収納されているスタイラスペンがあり、本体を「くの字」にして持つことでメモパッドのような使用感が生まれる。その際に、画面の上部を開閉させることで、画面上のページをめくれるようなインターフェイスを考えた。

ヒンジが3箇所もあることで無機質な工業製品の印象になることを軽減させるため、スエードレザーでヒンジ部を被覆。本体のカラーリングはこのレザーとの親和性の観点から選定された、落ち着いた色調になっている。最後に、非接触充電スタンドは本体ヒンジのピッチに合わせたデザインによって、充電中に一体化した見え方となるように配慮した。

このように、「完全に畳む」「完全に開く」という2つの状態に加えて、「部分的に開く」「折れ曲がったまま使う」といった使い方もできるようにすることで、スマートフォンの新たな可能性を広げることを考えた。

Collaborator : nis, mts, shr, myt
Photographer : Akihiro Yoshida