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木を2mm厚に挽くことで天然木本来の質感でありながら、無垢材に発生しがちな「反り」や「返り」が
起きにくい特性を持ったフローリング材を得意とする大阪のメーカー「朝日ウッドテック」のために
デザインしたフローリング。

本来は板同士の継ぎ目を目立たなくするために縦方向と横方向にV字型の目地加工をするのが通常であるが、
あえて縦方向のみにすることで床に「流れ」を生み出したいと考えた。
この縦目地の間隔を3種類用意することで、幅が広いものは「ゆっくり」と、狭いものは「早く」、
そしてその「中間」があり、空間を方向づけるだけでなく、廊下などの人が移動する場所は流れを早くしたり、
窓に面した広い空間はゆっくりと外部に意識が向かうなど、空間に「速度」を与えることが可能になった。

また、3種類とも同じ規格寸法で作られているため、異なる色や目地間隔をミックスして使用することもできる。
なお、幅の狭いものは本来は廃棄されるような細かい部材を活用できるため、環境にも優しい商品となり、
さらに横目地加工がなくなることで製造効率を高めることができるなど、
モノづくりにも配慮されたデザインとなった。

Client:
Asahi Woodtec
Collaborator:
Ryu Toyoyama
Photographer:
Akihiro Yoshida
2015.04