variations of time

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  • 2018.04
for INAC

太古からその姿形をほとんど変えることなく今も私たちの日常生活で使われ続けている砂時計。
デジタル時計などの新技術の登場により、砂時計は正確に時間を計測するための道具という機能的価値から、時間の流れを感じるための情緒的価値を伴った存在へと変遷し、多くの人に愛されている。

この、中央がくびれたガラス容器の中を重力によって砂が下に落ちていく、という単純な機構をベースにしつつ、砂の流れる速度や角度をデザインすることで、砂の流れ方を変化させ、それに伴って時間の感じ方に変化を生むことを考えた。
それはつまり、「時間そのものをデザイン」しているかのような感覚であった。

砂の落ち方の異なる4種類の砂時計と、砂を流し込むための容器は、いずれも透明アクリルの切削加工によって作られ、手の届かない内側の磨き作業は、先端に研磨材を取り付けた細い針金を使い、手作業で行われた。
こうして生まれた砂時計は、まるで「雲」や「水たまり」、「洞窟」といった、自然界に見られるような有機的な形のものとなり、これまで以上に自由に時間が流れているかのような感覚を生み出してくれた。

1. 時間を分割する砂時計
「5分」ぶんの砂を流すと、まずは左の空間に「3分」ぶんが溜まり、
徐々に砂自身によって空間の入り口が遮断されることによって、残りの「2分」ぶんの砂が右の空間に落ちる。

2. 行きと帰りで時間が異なる砂時計
空間内の傾斜によって「行き」は右のルートを使い、「2分」かけて砂が落ちる。
ひっくり返すと、今度は「帰り」の左のルートを使って、同じ量の砂が「1分」で落ちきる。

3. 一回で二度時間が計れる砂時計
ひとつ目の空間から砂が落ちきると「1分」。
その下にあるふたつ目の空間の砂が無くなると「2分」が経過したことがわかる。

4. 三種類の時間が計れる砂時計
上部に3つの「水たまり」のような窪みがあり、それぞれ砂を流し込む場所によって
「1分」「2分」「3分」と、落ちるのにかかる時間が異なる。

Collaborator : myt
Photographer+Filming : Akihiro Yoshida
Film Director + Editing : mit