しあわせバナナ

「しあわせバナナ」は、フィリピンのミンダナオ島中北部にある国定公園内の標高1,000m以上の農園で
栽培される高級バナナ。 有機肥料の使用や農薬の厳しい使用制限などが徹底され、その味わいはベルギーの
優秀味覚賞でバナナとして初めて栄誉ある2つ星を受賞している。

バナナづくりにかかわる人すべてを幸せにする商品であることから、この名前がつけられた。
そのパッケージのデザインを依頼されたが、高級品だからといって豪華なパッケージに入れるのは、
環境に配慮したバナナにふさわしくない。そこで箱や梱包材ではなく、バナナの皮の表面にシールを
貼ることにした。シールは2層になっていて、1枚目はバナナの皮の質感や色をできるだけ再現し、
キズやシミも加えてリアルにしている。

このシールは一部がめくれかけていて、剥がすとバナナの果肉の画像を背景にメッセージを記した2枚目の
シールが現れる。 バナナについての情報を押し付けるのではなく、思わず読みたくなるストーリーを演出した。
また、購入した人が持ち帰えれるように、紙製の手提げ袋も合わせてデザインした。
持ち手の紐を外すと袋からバナナが取り出せるようになっており、さらに袋を広げると大きな
「バナナの葉」の形をした一枚の紙でできていたことに気づく。そして、その裏面には「しあわせバナナ」に
ついての詳細な説明文が書かれており、何重にも楽しめるように配慮した。

Client:
ユニフルーティージャパン
Collaborator:
Mayuka Henmi
Photographer:
Akihiro Yoshida
2015.04