塀の家

長野県軽井沢町に建つ個人住宅。道路沿いにある、長さ110mの細長い三角形状の異形な敷地であることから、
目の前を通過する車や歩行者からの視線は遮りながら、緑豊かな周辺環境を楽しめるアイデアが必要とされた。

そこで、まずはフィルターのような役割を持ったブロック塀をデザインすることに。
ひとつひとつのブロックの角度が変えられることで 視線をコントロールできるようにし、
場所によっては塀を2列組み合わせて使用することでさらに細かい視線の調整が可能に。
塀が1列の場所は視線を一方向に設定でき、
2列に重なる場所では、同じ角度で前後のブロックが揃うと向こう側が見え、角度が異なると遮断される。

ブロックには「CO2-SUICOM®」を使用。
コンクリートの主原料であるセメントの一部を産業副産物に置きかえ、そこに
二酸化炭素を吸収する材料を加えることで、製造時の二酸化炭素を削減するというもの。

このブロックを約2050個使った高さ3mの塀をずらしながら5列平行に配置し、その隙間を「埋める」ようにして居室を設計。
寝室や浴室などのプライバシーは確保しつつ、リビングやダイニングには適度な開放感など、
条件に応じてブロックの角度を3度単位で調整し、最終的にグラデーション状にブロックの向きが変化するデザインとなった。

※CO2-SUICOM® (CO2-Storage and Utilization for Infrastructure by COncrete Materials)
CO2-SUICOMは、製造過程において大量のCO2を強制的に吸収・固定化させることにより、コンクリート製造におけるトータルのCO2排出量をゼロ以下にできるコンクリートです。
CO2-SUICOM(シーオーツースイコム)は、 中国電力、鹿島、デンカの登録商標です。

Collaborator:
Noritaka Ishibayashi
Hiro Shoji
NIITSU-GUMI
LANDES CO.,LTD 
Photographer:
Takumi Ota
Masahiro Ohgami
Filming and editing:
Masahiro Ohgami
2024.4