Doraemon minimal desktop collection

22世紀の未来からやってきたネコ型ロボットが、毎回「ひみつ道具」を取り出して活躍する
藤子・F・不二雄のまんが『ドラえもん』。
その誕生50周年を記念したオリジナルグッズをデザインすることに。

これまでも登場キャラクターをそのまま象ったり、プロダクトに配置したグッズは数多く存在するが、
従来とは異なるアプローチによって新たなターゲット層やシーンに広がることを考えた。
まず、ドラえもんというキャラクターや、物語内に登場する「ひみつ道具」の多くが
単純な形体や色彩によって構成されていることに注目。
極限まで要素やディテールを削ぎ落としても「ドラえもんらしさ」が損なわれることがないと仮定し、
ミニマルなデスクトップ・アクセサリーのコレクションを作ることにした。

「ドラえもんの手」はシンプルな球体に。
ネオジウム磁石を内側に仕込むことで、デスク上に散乱しがちなクリップやピン類を固定したり、
クリップを使ってメモを留めたりできる。
カードホルダーとペン立ては、ドラえもんの「四次元ポケット」の形に。
いずれもクリップホルダーと同様に、内部のオモシによってユラユラとバランスを取る。
「ドラえもんの尻尾」が生えているランプは、物語におけるドラえもんの設定と同じく、
尻尾を引っ張ることでオン/オフを切り替える電源スイッチとなっている。
さらに、本の魅力が様々な異なる世界を瞬時に移動できることから、
ブックエンドは「どこでもドア」をモチーフにした。
小物を置くための小さなトレイは、「スモールライト」で真上から照射した光線の形に。
フィギュアを置くと、まるでスモールライトで縮小されたかのように見える。
そして、空気の流れに合わせてふわふわと動きながらインテリアを彩るモビールは、「タケコプター」の形に。

このように、単に造形を抽象化するだけでなく、物語内におけるそれぞれの機能や役割が
プロダクトの機能と連動することを意識したコレクションとなった。

Client:
藤子・F・不二雄ミュージアム
Collaborator:
Richard Bone
Suheyl Onal
Hsieh Hui-Hsi
Yashin Tzeng
Sayaka Ito
Photographer:
Akihiro Yoshida
2021.09