fusion sofa

デンマークの家具メーカーBoConceptのためにデザインされ、「fusion(融合)」と
名付けられた13点の家具と雑貨からなるコレクション。

その名の示す通り、二つの要素を融合させることによって新たな機能や視覚効果を生み出すことを考え、
最初に着目したのが、2次元の紙を折ることで3次元になる、日本の伝統的な「折り紙」であった。
マグカップの外側には折り紙の「折り目」をパターンとしてあしらい、カップの内側の底面には
折られた後の動物をレイアウトすることで、「2次元と3次元」とが組合わさった表現を目指した。
そして、プレート、トレー、クッション、カーペットなどにも同様のデザインが展開された。

自由に折り曲がる4つのクッションとデイベッドを組み合わせた構成のソファは、
形状の変化に応じて様々な座り方ができ、アームチェアもまた一枚の平面体を折り曲げて
出来たような形をしており、いずれも「折り紙」が出来上がっていく様子をモチーフにして
「完全と不完全」の融合を試みた。

他にも「ハサミと時計」、自由に形状を変化させる「メガネとテーブル」、
下に小物を隠すことができる「鳥のオブジェと帽子」や、ティーカップキャンドル用と通常の
キャンドル用のスタンドが合わさってリバーシブルで使用できるキャンドルホルダーなども考えた。
2種類用意された棚は、背板が微妙にズレていることで横方向にキレイに連結され、繋いでいくことで
ランダムなパターンに展開できる、という「融合のしやすさ」を念頭に入れたデザインとなった。
そして、収納ボックス、膝掛けとクッションは日本古来の刺し子風の和柄で仕上げ、柄の大きさを変化させたり、
表裏で色を反転させることで「異なるスケール」や「相反する色」の融合を意識した。
このように、様々な性質の融合を試みた結果、日本のデザインとデンマークのモノづくりの
融合が実現されたコレクションとなった。

Client:
BoConcept
Photographer:
BoConcept
2014.03