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創業100年以上の歴史を持つカンロは、
さまざまな種類のキャンディやグミをこれまでに製造発売してきた。
製造時に空気を混ぜ込むことで細かい気泡が内部に入り、
ふんわりとした軽い食感となるエアイングミ製法を確立したことから、
グミの形状とパッケージをデザインすることに。

エアイングミは単独で食べるより他のタイプのグミと「食べ比べ」をすると特徴をより体感しやすいことに注目し、
噛みごたえ感が強い「ハードタイプ」のグミと、
カンロが得意とするもっちりとした「ソフトタイプ」のグミと一緒にミックスして販売することを考えた。

それぞれの食感を強調するため、
ハードタイプは歯との接触面積が大きく、体積があり圧縮力に最も耐える「キューブ形」に。
ソフトタイプは歯との接触面積が小さく、柔らかさや歯切れの良さを感じやすい「円錐形」に。
エアインタイプは噛んだ際に歯を包み込み、最も食感の軽さを感じやすい「球形」にした。

3種類のフレーバーは統一。
市場には「味違い」のグミがミックスされた商品は多数存在するものの、
あえて「食感違い」の商品とすることで、同社の高い技術力を最大限に引き出すことにした。

パッケージは定番のパウチ型でありながら、これまではパッケージの上部についていたチャックを側面に移動。
店頭では縦方向にフックに吊るし、販売店の限られた陳列スペースを有効に使いつつも、
開封後は口が広くて中が浅くなり、グミが取り出しやくなった。
さらに、横に倒した状態でテーブルなどに置かれることも想定し、反対側の側面に自立するための底面を設置。
背が低くて底が広いために安定性を増し、立たせた状態のままオフィスの引き出しに入れておいたり、
みんなでシェアする場所に置いたりしやすい。

パッケージ正面には、3つのグミの形状をそのまま表現した「○△□」のみをあしらい、
カンロの社名ロゴは売られている状態の縦置きでも、
食べている状態の横置きでも読めるよう、斜め45°に振って配置した。

Client:
カンロ
Collaborator:
Midori Kakiuchi
Sherry Huang
Photographer:
Akihiro Yoshida
animation:
Shimpei Mitani
2020.11