kotoli for Ruinart

世界最古のシャンパン・メゾン「Ruinart」のためにデザインした、
ギフト用ピクニックボックスとレストラン用トレー。

毎年、異なるデザイナーやアーティストとのコラボレーションを行うピクニックボックスの
今年のテーマは「アーバン・エスカペード(都会の逃避行)」。
都会から逃げ出すのではなく、都会生活を積極的に楽しむピクニックという、新たな視点が求められた。

そこで、街中の小鳥が電線に舞い降りて一時の休息をしている様子をモチーフにすることに。
本来は別の用途として東京中を張り巡らさしている人工物も、視点を変えることでハンモックのようにも
見えてくる。そんな感覚を投影したいと考えた。ベース部分の無いフルートグラスは自立することは
できないが、シルバーのリングによって、ボトルに舞い降りて一時の休息をすることができるようになった。

また、外箱や、「鳥の巣」をイメージしたレストラン用のトレーにもグラスが固定できるようになっており、
テーブルのような安定した家具がなくても、どこででも手軽にピクニックができることを考えた。
既製のインフラを転用したり、最少の要素で機能を満たすモバイル性、人と人の接点の流動性、
それらを全てひっくるめて軽やかに楽しむことを提案したいと思った。

Client:
Ruinart
Photographer:
Masayuki Hayashi
2011.05