mizuki

1904年にコペンハーゲンで創業したジョージ・ジェンセンは、銀製品とジュエリーの制作から始まり、
次第にホームアイテム全般も手がけるようになった老舗ブランド。
芸術作品に携わる職人の技を現代の生活に活かす姿勢で、1世紀以上にわたって
花や植物など自然界をモチーフにした多くのデザインを送り出してきた。

今回デザインしたシルバーウェアコレクションでも、自然界の構成要素である「水」をテーマに
熟練の職人たちの手によって一点ずつ生み出されることとなった。
水深の深い中央部分に水を溜めることで、花瓶のように垂直方向に花を生けることができる。
さらに水量を増すと、水深が浅く面積の広い部分へ水が張られ、水面に花を浮かべたり寝かせたりして飾れる。
また、片側が開いている部分が注ぎ口となり、水差しとして使うこともできる。
このように、「溜める」「張る」「流れる」という3つの水の状態を
柔らかく一体化させた器であることから「水器(mizuki)」と名付けた。

mizukiは、925スターリングシルバーの1枚のシートから鍛造で生み出される。
ときに780℃にまで熱せられ、柔らかい状態でハンマーで叩かれ、その後は徹底した磨き加工が施される。
3種類のデザインからなるmizukiのフルセットの制作時間は、
ジョージ・ジェンセンの銀細工職人の技術をもってしても400時間を要する。

Client:
Georg Jensen
Collaborator:
Sherry Huang
Photographer:
Hiroshi Iwasaki
2021.08