nendo : forms of movement

2018年のミラノサローネ期間中に開催された、日本のメーカーの先端素材や緻密な加工技術によって
作られた10コレクションからなる展覧会。

私たちは様々な「動作」とともに暮らしている。身体は動作によっていろいろな役割を果たすが、
生活を取り巻く大小様々なモノたちもまた、動作によってそれを実現している。
そのもの自体が動き出すこともあれば、一見するとじっと止まっているように見えながら、
どことなく動きを感じさせるものもある。また、人の動作に呼応して動くものや、
逆に、人に対して特定の動作を誘引するものもある。

例えば、椅子自体は動かないけれど、人に対して「座る」という動作を促しているという解釈ができる。
そういう見方をすると、果たしてデザイナーは「椅子」をデザインしているのだろうか?
あるいは「座るという動作」をデザインしているのだろうか?モノが人に反応し、人がモノに呼応する。

本展はそんな「動き」を媒介とした人とモノの関係性に着目し、「動作のデザイン」をテーマに10作品を展示。

様々な触れ方を促しながら異なる開閉のしかたをする「air lids」、ファスナーの動き方を再構築することで
新たな使い勝手を模索する「zippppper project」、セラミックの塊を潰すという動作がそのまま形になった
「press tiles」、砂の流れかたに変化を持たせることで時間そのものをデザインする「variations of time」、
人の動きや光の量に合わせて自動で開閉するブラインド「blooming shades」など、様々な「動作」と、
そこから派生する形や機能、素材や技術などを合わせて紹介した。

Client:
Milan Design Week
Collaborator:
Yumi Abe
Hadar Gorelik
Yukiko Tomotsune
Photographer:
Takumi Ota
2018.04