pepper-pestle

家具や雑貨の製造販売を行うベルギーのブランド「Valerie Objects」のデザインプロジェクト、
「the pepper & salt project」のためにデザインしたペッパーミル。

一般的なペッパーミルは、上部から粒胡椒を入れ、回転またはテコの原理を用いて内部の刃で
粉状に挽く機構が多い。ところが、香りの良さをさらに引き立て、粒子の細かさを微調整できるようにしたいと
考えた結果、 「すりこぎ」と「すり鉢」という、世界各地で古代から調剤、実験、または調理用に使われてきた
単純な機構のほうが適していることに気づいた。

普段は、胡椒の入った丸いガラス製の容器が台座の上に乗っている佇まいであるが、使用する際は、
容器の中の胡椒を台座の上に移し出し、容器の底を「すりこぎ」に、台座を「すり鉢」として胡椒を擦り潰す。

容器は中央を僅かに窪ませることで手に馴染み握りやすくし、底面の壁厚は他よりも厚く成形して
強度を高めた。また、胡椒をより挽きやすくするための台座上面の凹凸は、
何度も検証を繰り返して形状を導いた。

Client:
Valerie objects
Collaborator:
Shintaro Monden
Genki Fujita
Photographer:
Akihiro Yoshida
2018.12